厚木市から回答がきました
当診療所は厚木市の助成金制度利用の対象病院に当初なっていたにもかかわらず、途中で対象から除外されました。理解しがたい理由でしたが、1年近く経ったので再度問い合わせてみました。回答がきましたのでお知らせいたします。
以下原文
令和4年8月26日
VOC外猫診療所
所長 今鉾君雄様
厚木市長 小林 常良 ㊞
立秋の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
お問い合わせいただきました内容につきましては、令和3年10月22日付で回答した状況と変更ありません。今後とも動物愛護行政に対し、御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
担当 環境農政部 生活環境課 美化衛生係
電話 (046)225-2750(直通)
担当者 ★★、★★★ (※★は筆者が記入)
前回の回答は以下の通りです
以下原文
令和3年10月22日
VOC外猫診療所
所長 今鉾 君雄 様
厚木市長 小林 常良 ㊞
清秋の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。日頃、本市動物愛護行政に御理解と御協力を賜り、厚くお礼申し上げます。さて、厚木市猫不妊・去勢手術費の助成事業につきましては、「厚木市猫不妊・去勢手術費助成要綱」に基づき、事務を執行しておりますが、コロナ禍における市内事業者の支援強化及び団体育成の観点から見直しをしました結果、令和3年4月1日から手術実施機関の対象を「厚木愛甲獣医師会会員又は厚木市内に飼育動物の診療施設を開設した者」に要綱を改正させていただきましたので、御理解いただきますようお願いいたします。これまで御協力いただきましたこと、心からお礼を申し上げます。
担当 環境農政部 生活環境課 美化衛生係
電話 (046)225-2750(直通)
担当者 ★★★ (※★は筆者が記入)
さて、今回の回答は前回の回答と内容は同じでした。変更見直しのポイントとして厚木市が示したのは、
①コロナ禍における市内事業者の支援強化
②団体育成
の2点になります。①に関しては厚木市の考えがあるのかもしれませんが、多くの自治体で自らの地域に限定している所は近隣ではありません。限定している例として横浜市では、川崎市、藤沢市、鎌倉市、横須賀市、逗子市、大和市、町田市としており、横浜市に隣接している自治体を含めて登録動物病院として認めています。ちなみに当診療所では川崎市に申請をしており、登録されています(今まで川崎市の方は一度も来られておりませんが)。以前厚木市に問い合わせてみたところ、「他の所は関知しない」とのことでした。つぎに②に関しては、厚木愛甲獣医師会と厚木市との関係がどのようになっているかは調べようがありません。そこで「公益社団法人 日本獣医師会」に会員と非会員が不利益を生じさせるような考えかたをしているのか?と問い合わせたところ、「公益社団法人ですからない」という主旨の回答を得ました。ちなみ日本獣医師会と厚木愛甲獣医師会と直接組織的な関連はありません。ただ、一般の方から見れば同じ組織であるように見えるでしょう。
このように厚木市の多くの方が当診療所で制度利用出来ないことは理不尽でなりません。助成金が無くても当診療所を利用される方はいらっしゃいます。ただ、釈然としない方が多くいらっしゃることも事実です。
茶シロのぶーちゃん
川崎にある製鉄所のJFE、この会社所有の敷地にいる猫達の問題は、現在も解決していないのが実情です。ただ、川崎の動物保護団体である幸アニマルサポートさんの活動ならびに2272万円ものクラウドファウンディングの達成により、道筋が少し見えてきたようにも思えます。JFEや川崎市の対応の不誠実さは目に余るものがあります。それでも何とかしようという代表の浜田さんの努力には頭が下がります。
今回ご紹介する、ぶーちゃんという名前の茶シロの雄猫は、この一連の活動のきっかけをつくった猫ちゃんです。残念なことにもう亡くなってしまってこの世にはいません。はっきりは記憶しておりませんが、2019年1月頃に以前の勤め先の動物病院に、現在は辞めてしまっているのですが、協力会社で働いていた、Aさんが、左目の傷から大量の出血をしているとのことで連れて来られました。B先生が担当され、しばらく入院をし、そろそろ退院ということになりました。この時にAさんから自宅には先住猫がおり、猫エイズ陽性のぶーちゃんを連れて帰れない、元の場所であるJFEの敷地には戻したくない、と相談を受けました。この時JFEに数百匹もの猫がいて、過酷な環境下で生きており、トラックに引かれる猫もたくさんいることを知らされました。思案の結果、愛川町の自宅に連れて帰ることにしました。2019年1月26日のことです。この頃浜田さんにもJFEのことをお伝えして、解決の糸口が見つからないまま話は終わってしまいました。2019年10月に川崎の病院を退職し、同年12月に外猫・保護猫の避妊去勢手術を主とする動物病院を開設しました。多くの方々に信頼していただき何とか経営を続けることができております。さて、ぶーちゃんはというと2段ケージでその日のほとんどを過ごし、食欲元気も問題なく生活しておりました。ただ、猫エイズの影響で口内炎が酷く、定期的に投薬などの治療は続けておりました。腎臓の具合が悪いと思われたので、去勢手術は行わず様子を見ることにしました。発情はわずかに認められて程度でした。自宅猫との交流を避けるため、物置での生活となりましたが、ぶーちゃんは「出してくれ」とも言わず穏やかに過ごしておりました。開業以来ぶーちゃんの世話をする度に川崎の猫達が気になっていたのですが、地元の猫達の手術依頼に追われ、コロナ禍ということもあり、川崎に行くことはありませんでした。定期的な抗生剤の注射を続けてきたぶーちゃんですが、2021年1月頃から抗生剤に対して反応が思わしくなく、口内炎が悪化して食欲が大きく落ち始めました。自分で食べれなくなってからは経鼻カテーテルで流動食を与えていたのですが、2021年1月19日に息を引き取りました。川崎のAさんには亡くなったことをお伝えした際、私の元で生活出来たことに大変感謝していただきました。ぶーちゃんは地元の斎場で荼毘に付されました。お骨は自宅の部屋に、以前飼っていた他の子達と一緒にあります。
ぶーちゃんが亡くなってからおよそ8ヶ月後、川崎の浜田さんからJFEの猫のことに問合せがあり、自分は係わっていない旨お伝えしました。彼女はJFEの猫達を何とかしたいと強い決心があり、情報を求めて自分に連絡をしてくれたようです。彼女にAさんのことを紹介し、一連の活動へとつながったようです。
ぶーちゃんというたった一匹の猫が、多くの猫達を救う活動へ人たちをつなげてくれました。川崎ではまだまだ困難が続いておりますが、多くの皆さんにぶーちゃんのことを知ってもらいたく今回お話させていただきました。企業、行政の壁は厚く高いですが、自分としても思うことがあり、地元で活動を続けて参ります。今後に注目していただければ幸いです。
9月まで教えてくれないの?
獣医師に相談してみましょう
マイクロチップ等で最近話題の改正動物愛護法のなかで、第41条の2において、獣医師による虐待の通報の義務化が示されました。すなわち「みだりに殺された、傷つけられた、虐待されたと思われる動物を発見した際に、遅滞なく都道府県等に通報することを義務化」ということで、以前の努力義務から義務化へ改正されました。
先日も、紐のからまった猫のことを相談したのですが、ただ話をしただけでは、全く相手にしてくれなかった保健所職員さんですが、虐待疑いの通報の旨をファックスしたところ、急に対応が変って、現場を見ます、警察と連携します等と言ってこられました。このような事例もありましたので、外猫等の動物に関する疑問点はどんどん獣医師に相談してみましょう。
オッサンもがんばります
猫ちゃんのストレスを少なくするために
外猫の避妊去勢手術のハードルが高いとお考えの方は、多くいらっしゃいます。その原因の一つにには、手術予約をしてもその日に捕まえられるかどうかがわからないことです。当診療所では、原則予約制ですが依頼者様との事前の打ち合わせがあれば、捕獲できたその日か、翌日には手術が可能です。もちろん多くの手術が既に入っていれば出来ないこともあります。但しこのような場合は事前の打ち合わせにより、ある程度避けられます。当診療所において、依頼者様へ知っていただき、お願いしたいポイントを示しますので、ご検討されている方はご相談下さい。
①当日手術可能かどうかは食餌を何時、どの位食べたかによります。わかる限りお知らせください。食べた後に捕獲した場合は、翌日の手術となります。
②捕獲器やキャリーケースなどに入ることは、猫にとって不慣れな環境によるストレスでしかありません。排尿が出来ずに膀胱がパンパンになっている猫がほとんどです。特に雄猫の場合は、排尿困難になるような詰まりを生じることがあります。麻酔により、雌猫では手術前に圧迫して排尿、雄猫では手術前、あるいは手術直後に排尿させることで腎臓への負担を軽減させます。※雌猫では排尿させることで、術野を確保するという目的もあります。
③手術後、しっかり麻酔から覚めさせせるため、一定時間はリターンさせません。一方必要以上に捕獲器等に入れておくことは②で指摘したとおり排尿困難を生じさせてしまいます。お仕事等でお迎えまでに時間がかかる場合は必ず事前に打ち合わせを行うようお願いします。
以上となります。
それぞれの冬
VOC外猫診療所は信念を通します
今年(2021年)4月より、以前認められていた厚木市の猫不妊・去勢手術費助成制度から、当診療所が除外されました。事前に担当者より電話1本で通告されたのですが、その後幾つかの問題が生じたため(ここでは話せませんが)、およそ半月にわたり交渉の末、以下の書面を発行してもらうことが出来ました。
以下原文
令和3年10月22日
VOC外猫診療所
所長 今鉾 君雄 様
厚木市長 小林 常良 ㊞
清秋の候、ますます御清祥のこととお喜び申し上げます。日頃、本市動物愛護行政に御理解と御協力を賜り、厚くお礼申し上げます。さて、厚木市猫不妊・去勢手術費の助成事業につきましては、「厚木市猫不妊・去勢手術費助成要綱」に基づき、事務を執行しておりますが、コロナ禍における市内事業者の支援強化及び団体育成の観点から見直しをしました結果、令和3年4月1日から手術実施機関の対象を「厚木愛甲獣医師会会員又は厚木市内に飼育動物の診療施設を開設した者」に要綱を改正させていただきましたので、御理解いただきますようお願いいたします。これまで御協力いただきましたこと、心からお礼を申し上げます。
担当 環境農政部 生活環境課 美化衛生係
電話 (046)225-2750(直通)
担当者 ★★★
このような対応をする自治体は近隣では皆無であり、はなはだ遺憾ではありますが、
愛川町でも問題が山積しており、厚木市の対応に関しては現時点ではスルーしておくことにします(厚木市民でもありませんし)。
ところで、診療所にいる兄弟猫4頭(1頭死んでしまいましたが)ですが、雄の茶とらは「太陽」、雌の茶とらは「リラ」、大きい三毛は「ミラ」、小さい三毛は「ヒナ」といいます。出身大学の名誉教授であり、前日本獣医師会会長の先生に名付けていただきました。加えて、当診療所では基本的に猫の引き取りは行っておりませんが、里親さん募集中、あるいは募集準備の猫が4頭おります、認可の関係であくまで診療所とは無関係の扱いとなっております。ちなみに、写真奥から厚木市三田出身、厚木市まつかげ台出身、厚木市飯山出身、厚木市愛甲出身です。