voices of cats 猫の声

神奈川県の愛川町に外猫のための診療所を始めました。

今年1月から3月までの避妊去勢手術実施件数をお知らせいたします

今年4月1日より、厚木市助成金制度が外猫に限って認められるようになりました。あらためてご尽力いただいた方にお礼申しあげます。さて、今年1月から3月までの手術依頼件数をご報告いたします。地域別に分けております。飼い猫・外猫、また、オスメスの区別はしておりません。「その他」には猫の捕獲場所と依頼者様の住所が異なっている猫もいれてあります。過去の詳しい内容は正確ではありませんが、愛川町で外猫の申請方法が不当に厳しくなってから依頼数が減っているように思います。連休明けには申請者数の情報開示請求を行なう予定です。わかり次第お伝えします。そもそも請求して開示するほどの情報か?とも思います。愛川町の不誠実な対応は、秋までに必ずや改めさせる決意です。

 

神奈川県内で猫の不妊・去勢手術助成制度を行なっていない自治体に理由を尋ねてみた

神奈川県内では、自治体により猫の不妊・去勢手術費用の助成を行なっているところと、そうでないところがあります。地元愛川町では色々と問題はありますが制度自体はあります。そこで、県内の制度が無い自治体にその理由を尋ねてみました。口頭で回答していただいたところはその理由を、メールで回答していただいたところはそのまま全文を掲載します。ほとんどの自治体では職員が即答できず、後日回答してもらっています。また職員の対応も明解なところもあれば、そうでないところもありました。行なっていないところは、神奈川県の動物愛護センターの制度があるので、実施していないとの理由でした。神奈川県動物愛護センターでの「飼い主のいない猫の避妊手術又は去勢手術の支援事業」に関して直接センターに問合せしたところ、制度に関して各自治体との取り決めをしているわけではなく、県独自の制度であることを確認しております。またこの支援事業は令和元年6月「神奈川県動物愛護センター」として開所してから始まった制度なので、現在の理由としては説明はつくものの、それ以前はどのような理由で行なっていなかったのかは不明です。制度の有無はともかく、回答を読んでみるとその自治体での理解度がよく判るのではないでしょうか。

開成町の回答★
今鉾 君雄様
大井町の回答★
今鉾 君雄 様
お問い合わせいただいた件について、ご回答いたします。当町においては、これまで野良猫についての苦情や相談の件数は多くなかったため、不妊・去勢手術の助成については課題として取り上げておりませんでした。また、現在では神奈川県でボランティアで活動されている団体に避妊・去勢手術の支援が行われておりますので、相談があった場合はそちらを案内することとしております。
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〒258-8501神奈川県足柄上郡大井町金子1995大井町役場 生活環境課 
TEL 0465-85-5010FAX 0465-82-3295
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 中井町の回答★
今鉾君雄様
お問い合わせいただいた件について、ご回答いたします。当町においては、これまで野良猫についての苦情や相談の件数は多くなかったため、不妊・去勢手術の助成については課題として取り上げておりませんでした。また、現在は神奈川県で避妊・去勢手術の支援が行われていますので、相談があった場合はそちらを案内することとしております。その中で、町内でボランティア活動をされている方から、どうぶつ基金が行うさくらねこTNR事業の活用について相談を受けたことから、今年度より登録を行いボランティアと協力して活動を始めました。今後はこの活動を行う中で、助成制度の必要性等を検討していければと考えております。
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神奈川県足柄上郡中井町環境上下水道課 環境班 〒259-0197住所:神奈川県足柄上郡中井町比奈窪56電話:0465-81-3903FAX :0465-81-1443
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 大和市の回答★
----------回答内容ここから
VOC外猫診療所 獣医師 今鉾君雄 様お世話になります。お問い合わせの件につきまして、お答えさせていただきます。猫の不妊手術・去勢手術に係る助成制度につきましては、他市町村の状況等を総合的に勘案し、現時点において、当市では行っておりません。何卒ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。
大和市役所医療健診課医療施策推進係----------回答内容ここまで
 
一言:VOC外猫診療所では、行政に関する電話での問合せに際して、ほぼ全て録音してあります。お問い合わせしていただくことは可能ですが、少しお時間いただく場合があります。
感想:大井町中井町は初めの文章が全く同じですね。大和市は理由の回答になっていませんね。職員本人とは何度か話をしましたが、要は「理由はない」とのことです。職員の方は自分のような人間との会話に慣れていない印象でした。

愛川町・猫の不妊去勢手術費の助成に関する気になる点〜その1〜

愛川町のホームページに示されている主旨文をまず見てみます。

このことから、野良猫・捨て猫などの増加および猫による被害を防止するには、現在猫を飼っている飼い主に対して費用の一部を助成することであることが示されています。見方をかえると現在の諸問題を解決しよういう意図はありません。主旨文は非常に重要で、例えば、『日本国憲法 前文』を考えれば容易に理解出来ると思います。

次ぎに令和3年10月1日から一部が変更されたのでこちらをお示しします。

愛川町ホームページより引用

主旨文を見ているととても良いことが書かれています。特に注目したいのは「生息状況や不妊・去勢手術の状況を把握しやすくするため」です。以前では飼い猫・飼い主の居ない猫の区別なく助成金制度を利用出来ていましたがこれを主旨文の目的を達成するため変更しようというわけです。なお、以前より利用していた愛川町在住の方は気がつくと思いますが、以前より飼い主の居ない猫に対しては補助対象となっていたので、後半部分は少々腑に落ちない内容となっています。ただし、飼い主の居ない猫に対しても助成金を出すと明言しているので良いと思います。

変更による問題点

改正告知のため、変更内容は実施日以前にホームページで確認することが出来ました。気になる点も多くあり、担当課に質問や獣医師としての提案を行ないましたが、ほとんど改善されることはありませんでした。今回、情報公開制度によって取り寄せた文書によると変更の主旨は、以前お伝えしたように、助成金制度の利用に対して均等に提供できるようにするのが主眼で、それがたまたま飼い主の居ない猫の避妊去勢を積極的に行っていた方1例のみを拠り所に申請方法を煩雑にして抑制しようとするものとなったのです。今回はここまでとさせていただきます。さらに気になる問題は後日お伝えします。

愛川町猫不妊・去勢手術費助成制度の話

VOC外猫診療所のホームページでもお伝えしましたが、愛川町不妊・去勢手術費助成制度に関する文書を取り寄せました。こちらハテナブログでは、数値について少し解説と感想を述べさせてもらいます。まずは過去の実績の表を示します。

【表の見方】2021年10月1日以前の制度に関して。

①飼い猫、飼い主のいない猫の区別はありません。②手術後発行される各動物病院の領収書を用いて申請します。③発行された領収書は1年間有効となります。④例年予算が年度末前に無くなることが多いです。したがって、各年度に実施された不妊手術頭数との助成金支払頭数とは一致しません。

【感想】月別の資料は『無い』とのことでしたので、予算が具体的にいつ枯渇したのかは不明です。ただし、予算は十分といえるかどうかは疑問です。参考までに愛川町厚木市、当診療所が協力病院にもなっている川崎市助成金金額、予算額、人口を表にまとめました。また、ユニークな大和市も示します。

次ぎに、2021年10月1日から変更された制度における飼い主のいない猫の不妊・去勢制度の実績、入手できた2022年7月までの分をお示しします。制度変更の重要な点は、飼い猫は以前の通りですが、飼い主のいない猫については事前の計画書提出、承認後に手術、報告書の提出という方式に変りました。

【表の見方】2021年10月1日以降2022年7月までの飼い主のいない猫に対する実績

令和3年度後半の6ヶ月間で15頭実施の報告。令和4年度4ヶ月間で1頭実施の報告。計画書提出日から計画承認日までの日数は取り消し分を除くと、令和3年度で、6日、0日(即日)、5日。令和4年度で4日となっています。承認された計画書は郵送となりますので、到着まで1〜2日程度は必要になっていると予想されます。

【感想】当診療所では助成金申請を希望される方だけでなく、申請を希望されない方も多くいらっしゃいます。しかし、愛川町の外猫における様々な問題に対する対策が後退しているのは、助成金の申請件数を見れば容易に想像出来ます。加えて、多数の外猫が避妊去勢されずに生活している地区が多くあることを複数の依頼者様からうかがっています。何とかしなければなりません。

今回の改正の問題点については後日お話させてもらいます。

 

 

 

 

 

 

愛川町で2021年10月1日から改正された猫不妊・去勢手術費助成要綱改正の書類が行政文書公開請求で届きましたのでご紹介します。

ご紹介する文書は2つで、ほぼ同じ内容ですが、1つは起案の文章で、あと1つは決定したものです。※改行が元の文章のように出来ないので、ほとんど改行無しで示しています。

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件名 愛川町不妊・去勢手術費助成要綱の一部改正について(伺い)

このことについて次のとおり改正してよろしいでしょうか。
(説明)
本町では、平成元年度から猫の不妊・去勢手術費に対して助成を行っており、その対象
は、「飼養されている猫」であり、主としては飼い猫となるが、飼い主の居ない猫(野良猫)であっても、捕獲し、人の管理下に置かれた(飼養された)という解釈により補助の対象としています。しかしながら、令和2年度中には、飼い主の居ない猫に対して実施した手術の申請について、一人で40件以上の申請をした事例があり、今後もこうした申請が続いた場合、一人の多くの申請により、補助を受けられない人が現れるなど、偏った補助制度となってしまうことが懸念されます。このため、「飼い主の居ない猫」を正式に補助対象とし、事前に計画書を提出していただくことで、補助頭数の調整ができるほか、町として飼い主の居ない猫の生息状況を把握することも可能であることから、要綱を改正し、対応するもの。(案)別紙のとおり

令和3年度予算額  猫不妊去勢手術費助成金  885000円
令和3年4月から9月までを周知期間とし、10月1日から施行したいものです。

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愛川町不妊・去勢手術費助成要綱改正概要


本町では、平成元年度から猫の不妊・去勢手術費に対して助成を行っており、その対象
は、「飼養されている猫」であり、主としては飼い猫となるが、飼い主の居ない猫(野良猫)であっても、捕獲し、人の管理下に置かれた(飼養された)という解釈により補助の対象としている。しかしながら、令和2年度中には、飼い主の居ない猫に対して実施した手術の申請について、一人で40件以上の申請をした事例(ボランティアと思われる。)があり、今後もこうした申請が続いた場合、一人の多くの申請により、補助を受けられない人が現れるなど、偏った補助制度となってしまうことが懸念される。このため、「飼い主の居ない猫」を正式に補助対象とし、事前に計画書を提出していただくことで、補助頭数の調整ができるほか、町として飼い主の居ない猫の生息状況を把握することも可能であることから、要綱を改正し、対応するもの。なお、令和3年4月から9月までを周知期間とし、10月1日から施行したいものです。

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今回はこれらの文章をお示しするにとどめ、改正後どのようになったのかはあらためてご報告させていただきます。

 

 

VOC外猫診療所でのマイックロチップ装着済猫の手術依頼への対応

当診療所でマイクロチップを装着した場合、飼主様が出来る登録には、法定登録すなわち国が情報を所有するものと、各団体が情報を所有する民間登録があります。当診療所では法定登録に加え、費用は追加となりますが民間登録(当診療所ではAIPOが可能)もお勧めしております。法定登録の検索は,環境大臣指定登録機関マイックロチップコールセンターに問合せます。朝8時〜夜20時まで、365日対応で、コールセンターが登録飼主に連絡をいれます。こちらが飼主情報を得ることは出来ません。一方AIPOでは、当診療所で直接検索できるため、こちらが電話連絡することが可能です。ただし、いずれの場合でも飼主様と連絡が出来ない場合があることは容易に想像できます。
さて、開業以来外猫の不妊手術においてマイックロチップが装着された猫はいませんでした。当診療所の方針としては、手術依頼の経緯をよく確認し、マイックロチップ装着が手術前に確認された場合、速やかに調べ、連絡がとれた場合には先方の話を伺い、飼主様の意向に従います。しかし、連絡がつかない場合は依頼者様と相談し手術の中止が妥当な判断になると考えます。確認しておきたいことは、最終的な責任は獣医師の今鉾にあるということです。

去勢手術と併せて、大福ちゃんにマイックロチップを装着

 

野良猫に餌を与えて良いのか?

さて、飼い主のいない猫に餌を与えて良いのか?という問題です。結論からいうと問題なしです。もちろん与え方のルール、例えば片づけ、避妊去勢の推進、トイレトラブルの解決などを行うのは当然です。なぜ問題ないのかというと、基本的には法律で禁止されているわけではないからです。しかし、猫好きの皆さんは、餌をやるなと言われたり、地区の回覧板でみたり、公園などの看板で餌やリを認めない主旨の内容を目にしたことがあるでしょう。そこで、この件に関して具体的な話をお示ししますので、困ったときには参考にしてください。とってもシンプルな話です。内容は大まかなのでご注意ください。
①9月7日愛川町環境課担当職員との話です。
職員:「愛川町では野良猫に餌を与えないよう指導しています。」
今鉾:「でも、厚木保健所では、餌やりを禁止してはいないと言ってますよ。」
職員:「県がどう言おうと町とは関係ありません。」
今鉾:「・・・・」
②9月9日神奈川県生活衛生部生活衛生課
今鉾:「厚木保健所では野良猫の餌やリを禁止してはいないと言っていたが正しか。」
職員:「法律で規定がないので、ルールを守っていただく必要があります。」
今鉾:「愛川町の職員は野良猫に餌を与えてはいけないといっている。県とは見解が違うが、町に対して意見を述べることはないのか」
職員:「法律的規定がないので、町の見解に県が何かをいうことはありません。」
今鉾:「では愛川町民であると同時に神奈川県民である自分としては何れの立場で行動しても問題はないということですね。」
 職員:「・・・・」

主旨は大体こんなところです。県のホームページにも野良猫に対する注意点など示されているのでぜひご覧いただきたい

91歳の母と里親募集中の大福ちゃん